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「お帰りなさい」が言える幸せ
「行ってきます」
それは単なる挨拶ではありません。
「行くけれど、また帰ってきます」
という約束の言葉です。
そして戦国時代の武士や、
第二次世界大戦で出征した若者たちは、
その約束ができない場所へ向かいました。
だからこそ、「行ってきます」
という言葉には、日本人の願いが込められている。
そんな話を書きました。
今回は、その続きです。
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むしろ本当に大切なのは、
帰ってきた後の言葉なのかもしれません。
「ただいま」
「お帰りなさい」
これもまた、
ただの挨拶ではありません。
「ただいま」それは、
「無事に帰ってきました。」という報告。
「お帰りなさい」それは、
「無事でよかった」
「帰ってきてくれてありがとう」
「あなたの居場所はここにあるよ」という受け入れの言葉です。
考えてみれば、
朝、「行ってきます」と言って家を出ても、
夜に必ず帰って来られる保証なんて、
本当はどこにもありません。
交通事故、突然の病気、災害、急な入院
昨日まで元気だった人
朝まで普通だった人
そんな日常が、一瞬で変わる瞬間を
何度も見てきました。
だから私は、「ただいま」「お帰りなさい。」
は、今日も無事だった。
という奇跡の確認作業だと思っています。
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子どもの自己肯定感は「迎えられる経験」で育つ。
発達心理学では、
子どもが安心して挑戦できる背景には、
安全基地(Secure Base)
安心できる愛着対象(Attachment Figure)
の存在が重要だとされています。
これはJohn Bowlbyの愛着理論として知られています。
子どもは、帰る場所がある。
迎えてくれる人がいる。
自分の存在を喜んでくれる人がいる。
その安心感があるからこそ、
学校へ行き、友達を作り、失敗し、挑戦し、
また帰ってくる。
だから、スマホを見ながらの、
「おかえり」ではなく、
目を見て、笑顔で、ハグをする。
できれば、少し大袈裟なくらいがちょうどいい。
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ハグは気分の問題ではなく、生理学でもある。
スキンシップやハグによって、
オキシトシン、セロトニン
などに関わる反応が起こることが知られています。
特にオキシトシンは、
安心感、信頼感、ストレス軽減、社会的結びつき
に関係するとされています。
また、夫婦間の温かい身体接触は、
ストレスホルモンであるコルチゾール低下や
血圧低下と関連した研究も報告されています。
つまり、ハグは愛情表現であると同時に、
神経生理学的な安心装置でもあるわけです。
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夫婦こそ「お帰りなさい」を大切にした方がいい。
仕事。育児。家事。介護。
毎日を回していると、
「ただいま」
「おかえり」
は業務連絡になっていく。
でも本当は、外で戦って帰ってきた相手に、
「今日も無事でよかった」
「帰ってきてくれてありがとう」
「お疲れさま。」
を伝える時間なのだと思います。
できれば、ハグ付きで。
しかも、少し照れるくらい、
少し大袈裟なくらいでいい。
柄にもないことを言っています(笑)
私は、2回の離婚を経験しました。
そして、これまでに数え切れないほどの
夫婦や親子、家族を見てきました。
家庭が壊れる時というのは、
大きな事件ではなく
小さな無関心。
小さなすれ違い。
小さな後回し。
その積み重ねだったりします。
そして逆に、家庭を支えるのもまた、
毎日の小さな積み重ねだったりする。
「ただいま」
「お帰りなさい」
目を見る。笑う。ハグする。
たったそれだけ。
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でも、その「当たり前」が、
本当は奇跡みたいなことなんだと思います。
私自身も含め、失ってから気付く人を、
たくさん見てきました。
だからこそ、後悔してから大切さに気付く前に、
今日も無事に帰って来られたこと。
今日も帰る場所があること。
今日も迎えてくれる人がいること。
まずは、その平和に感謝したい。
そして今日も、少しだけ大袈裟なくらいに
「お帰りなさい」
「ただいま」
「行ってきます」
という約束が、「ただいま」によって果たされる。
そして、「お帰りなさい」によって完成する。
もしかしたら日本人は、
この4つの言葉で、
家族を守ってきたのかもしれません。
行ってきます。
いってらっしゃい。
ただいま。
お帰りなさい。
この当たり前が、明日も続きますように。

